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薬剤師研修支援システム

“継続は力なり”の実践の提案 

2017年1月
理事長 豊島 聰

 

   昨年は、米大リーグのイチロー選手、テニスの錦織選手、リオ・オリンピックで表彰台に立った多くの日本人選手など日本人スポーツ選手の活躍が目立ちました。特に野球が趣味の私にとってイチロー選手が大リーグで3,000本安打を達成したときには感激しましたが、その時の彼の言葉にはさらに感銘を受けました。その言葉の骨子は、「3000本安打という偉業は、不断の努力の結果成し遂げられたものであり、自分は天才と言われるが、努力せずに成果をあげられる人のことを天才というのなら自分は違う」というものです。また、「不断の努力を継続できる人を天才というのであれば自分は天才である」という趣旨のことも言っています。すなわち全く素質のない人がいかに努力をしても天才と呼ばれるようにはなりえませんが、天才と呼ばれるようになった人は素質に加え、努力を継続することができる人だということだと思います。いずれにしても、“継続は力なり“で努力を続けることが如何に大切かわかります。

  さて、近年薬局は単に調剤を行う場所ではなく、健康サポート薬局・かかりつけ薬局として地域住民の健康と福祉に貢献する存在となることが求められてきています。健康サポート薬局・かかりつけ薬局の薬剤師として十分にその職能を果たしていくためには、生涯学習が必須です。厚生労働省が示した“かかりつけ薬剤師”の要件の中にも研修認定薬剤師の認定を取ることとありますが、これは生涯学習が重要であることを反映したものです。この要件のためか昨年度末から今年度にかけて当研修センターの研修認定薬剤師の新規申請数が飛躍的に増加しました。きっかけは何であれ、生涯学習に目覚める薬剤師が増加したことは喜ばしいことですが、継続することがより大切です。

  健康サポート薬局・かかりつけ薬局の薬剤師が、学習を継続し、その職能を十分発揮したとしても、イチロー選手のように華やかな成果が目に見えるようにはなりません。しかし、薬剤師としての実務を続ける限り、生涯学習の成果は如実に結果としてあらわれてくるものと思います。

  新年を迎え、学習努力を継続すること、“継続は力なり”を実践してみることを提案したいと思います。