2017年6月
公益社団法人日本薬学会 会頭 奥 直人
日本薬学会会頭を拝命しました奥と申します。今後二年間、会頭の職責を務めさせて頂く予定です。皆様のご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
日本薬剤師研修センターの活動には、平素より敬意を表しております。認定制度には、研修認定薬剤師制度、認定実務実習指導薬剤師制度ほか、いくつかの認定薬剤師制度があり、健康サポート薬局研修も開始されました。研修認定薬剤師は、生涯にわたる自己研鑽により、倫理、医療薬学はもちろんのこと、基礎薬学を含む薬剤師として必要な知識と資質を、常にリニューアルしている薬剤師であることを証するものと考えております。基礎薬学を含む自己研鑚の継続は、容易ではないかもしれませんが、医療現場に直結した医薬品情報を理解し、文献等から最新の情報を取得するためには、必要なことと思います。このような生涯学習や自己研鑚を率先して行うためのモチベーションや薬剤師としての使命感等は、大学での講義、実習、卒業研究により、そして薬剤師としての日々の仕事のなかで、培われてきたと思います。
医薬品・医療機器、再生医療を含む医療技術の進歩には目覚ましいものがあり、先端科学の理解も必要となります。日本薬学会は生涯研讃の場として年会や、医療薬科学部会が主催するフォーラムなどを提供し、薬剤師の皆様に活用して頂いております。また日本薬学会には学術誌として、英文誌2誌と薬学雑誌があり、Biol. Pharm. Bull.では医療薬学領域の投稿が増えています。また、薬学雑誌では医療薬学領域の研究成果について英文投稿を可能とし、調査研究、症例研究のケースレポートの投稿も可能としました。このため医療薬学領域の投稿が激増し、前年度は全投稿数の実に4割強が医療薬学領域となっています。これらはJ-stageで公開しておりますので、是非ともご覧いただければと思います。
日本薬学会では、学会の情報誌としてファルマシアを刊行しておりますが、ファルマシアには生涯学習や薬剤師の仕事に直接的に結びつくような、深みのある多くの情報が掲載されています。薬剤師の方々には、是非とも日本薬学会の会員を継続して頂き、実務実習や大学における薬剤師教育へのご助言を頂いたり、ともにワークショップを組むなど、強い連携を継続していきたいと考えております。今後ともよろしくお願い申し上げます。