2018年1月
理事長 豊島 聰
昨年は、地球温暖化の影響か、春や秋を実感する間もなく夏や冬の気温へと変化し、それがまたもとへ戻るという激しい気候変動の年となり、体調の維持に苦労しました。また、大雨や長雨による土砂災害、日照時間不足による作物の被害も例年以上に多かったように思います。今年は、春夏秋冬を実感でき、異常気象の少ない穏やかな年となることが望まれます。
ところで、かかりつけ薬剤師となる要件の一つに“研修認定を取得すること”が入ったことにより、平成28年度、当研修センターの研修認定薬剤師への認定申請が爆発的に増加、業務量が膨大となる大風が吹きました。その結果、平成23~27年度における年間の認定薬剤師数は12,000~14,000人でしたが、平成28年度は、42,043人と大幅に増加しました。平成23~27年度、更新により認定を受けた薬剤師は、8,000~10,000人で、平成28年度も約9,000人とほとんど変動はありませんでした。一方、平成23~27年度に新規に認定を受けた薬剤師数は、3,100~4,800人でしたが、平成28年度には、33,188人(月間1,400~6,000人)と大幅に増加しました。しかし、平成28年8月の新規認定薬剤師数は約1,200人と大幅に減少し、その後の申請者数は安定してきましたので、大風は吹き止んだものと思います。
いずれにしましても、認定薬剤師数の増加は、かかりつけ薬剤師としての職能を十分果たすための生涯学習に励む薬剤師が増加したことを意味しています。認定薬剤師が学習すべき事項は各薬剤師の職場、地域により異なりますので、個々の薬剤師は学習すべき項目をしっかり把握して生涯学習に励まねばなりません。例えば、当研修センターの自己診断表を利用して自己診断し、不足している職能を評価して学習することが考えられます。
今年は、認定薬剤師の皆さんには、職能を磨き職責を十分果たすことのできるようになるため、自己診断に基づき落ち着いて生涯学習に取り組み、成長、飛躍していただく年となることを期待します。