2019年7月
公益社団法人 日本薬学会 会頭 髙倉喜信
本年度より日本薬学会会頭に就任しました髙倉です。薬剤師が職能を発揮していくために必要な多くの研修の機会を提供されている日本薬剤師研修センターの活動には、平素より敬意を表しております。2年の任期期間中、会頭として学会の運営に鋭意努力してまいりますので、何卒、宜しくお願い申し上げます。
近年の生命科学と科学技術の発展に伴い、医療の世界でも劇的な変化が起こり、薬物治療はもとより医療ビッグデータに代表される情報科学等も高度化しているため、薬剤師の先生方も日頃の研鑽の重要性をより強く感じられているのではないでしょうか。日本薬学会の最も重要な学術活動の一つは学術講演会の開催ですが、これを生涯研鑽の場として是非ご活用いただきたいと思います。年会は、会員が一堂に会する学術集会として明治13年(1880年)に学会が創設されて以来継続されており、来年2020年3月には元号が令和に改まって最初の年会、第140年会が京都にて開催されます。
また、日本薬学会は各専門領域別の10の部会および全国を地域別に8つに分けた支部をそれぞれ縦糸・横糸として設け、ダイナミックな活動を展開しています。部会は、薬学研究の高度化と次世代を担う優れた人材の育成を共通の主要課題としていますが、医療薬科学部会が企画する医療薬学フォーラム/クリニカルファーマシーシンポジウム、次世代を担う若手医療薬科学シンポジウムは日本薬剤師会の会員の方々とも関係の深いものであります。また支部は、地域薬剤師会等との交流をはじめ地域に密着した積極的な事業展開を行っており、薬剤師会、病院薬剤師会と日本薬学会支部が共同で支部学術大会の開催を毎年実施している例もあります。これらの学術集会を日頃の研究成果の発表や最新の学術情報収集等、生涯研鑽の場としてご活用いただければと思います。今更ではありますが、やはりPharmacist Scientistsが今後も理想的な薬剤師像の一つではないかと思いますので、薬剤師の先生方におかれましては、日々の研鑽の努力を積み重ねられ理想像を目指していただければ幸いです。
今後も日本薬学会は、先生方の生涯研鑽の一助となるよう活動を継続してまいります。先生方のご理解とご協力を何卒、宜しくお願い申し上げます。