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薬剤師研修支援システム

 本州最西端・山口から若い薬剤師がもうすぐ誕生! 

2021年12月

     山陽小野田市立山口東京理科大学 学長 望月正隆

 

   東京理科大学で教員を務めていた時に、山口東京理科大の塚本桓世先生から山口に薬学部を作るので手伝って欲しいと誘われ、武田健教授と共に山陽小野田に参りました。この土地は気候も温暖で、台風などの災害も少なく、人々も優しく、過ごしやすい土地で、のんびりと過ごしております。春にはヒメボタル、秋には旅する蝶、アサギマダラを楽しんでおります。山口県に薬学部を設置するのは山口県薬剤師会にとり長年の悲願で、平成30年4月の実現は地元の大きな喜びでした。

 山口県は人口あたりの薬剤師数では充足しているようにも見えますが、地域偏在が大きく、小規模店舗が多く、慢性的な薬剤師不足で、県内に薬学部が誕生したことで問題の解消に期待がかかります。山口県は超高齢社会が進み、薬剤師も高齢化して、若い力が加わることを切に期待しています。

 近年、調剤報酬の仕組みにおいても学術的な要素が求められ、教育・研究機関である薬学部によって、山口県の薬剤師の資質向上が期待できると喜ばれています。山口県薬剤師会は会員薬局(病院)・会員薬剤師を対象に様々な調査を実施して、これらのデータを用いた共同研究により、学術的に分析を行い、より有用な知見を導き出し、県内の薬剤師・薬局・病院に有益なフィードバックできることを期待しています。

 いくつかの研究室が県内の薬局と共同研究を進めております。山口県薬剤師会とは共同研究の足掛かりとして、県内薬局の在宅医療・介護の進捗状況調査のデータを元に分析を始めております。今後も様々な分野のデータを収集し共同研究により、エビデンスを蓄積し、その知見をもとに様々な提言をしたいと思います。

 これらの影響は、県内の医療系企業においては、創薬・医療機器開発・食品開発等に波及し、薬局・病院では施設および薬剤師の資質向上に繋がり、より良い医療を患者に提供できると期待します。

 また、現在大学4年生の本学学生の卒業時には大学院が創設できるよう、準備を進めております。大学院が設置されることで、本学学生はもとより、社会人薬剤師の研究分野の醸成が期待でき、大学の生涯学習センターに現役薬剤師向けのコースを準備し、学位を取得することで医療職種の中でも一つの大きなステータスとなり、薬剤師の地位向上に繋がると思われます。

 山口県薬剤師会にとっても本学薬学部生は期待の星で、非常に大きな影響を及ぼしております。