2022年1月
理事長 豊島 聰
新年おめでとうございます。
昨年は、コロナウイルス感染症対策のための人流抑制などにより不自由な生活を強いられました。このような状況は、総理大臣の交代をも招いてしまいましたが、コロナウイルスワクチン接種率の大幅な増加等による効果があらわれたためか、感染者数は減少するとともにあまり大きな変動を示さなくなりました。これにより、日本社会は“with corona”へと舵をきり、我々の社会生活は徐々に元に戻ってきています。今年は、経口のコロナウイルス薬の開発が進んできたことも有り、経済が活性化されてくれば、日本は元気を取り戻すことが期待されます。
昨年は、コロナウイルス感染症対策にすべてが集中している感が有りましたが、コロナ以外にも対応を迫られている待ったなしの課題がありました。たとえば、地球温暖化への対応があります。このような課題には、個人個人が自覚を持って対策を考えていくことが必要であり、その解決には痛みを伴うこともありますが、2022年は未来の社会のためにこの課題解決の一歩を築く年にすべきと思います。
今年は、“with corona” で日本社会が元気を取り戻し、地球温暖化のような重要な課題解決に一歩を踏み出し、希望ある未来社会に向かうための年となることを期待したいと思います。
ところで、コロナウイルス感染症の蔓延は、薬剤師業務にも大きく影響したと考えられます。医師・病床などにおける医療現場での逼迫状況により、薬局薬剤師は、地域住民の医療(健康相談を含む)、介護などの相談にのることがより増えたとの話がありました。少子高齢化や人口の地域差が進む中、薬剤師に求められる役割が大きく変化してきています。薬局薬剤師は対物業務から対人業務へと業務の中心が移り、地域医療に貢献していかねばならなくなりました。コロナ禍での地域住民の医療・介護などの相談への対応は、地域社会における薬剤師としての医療貢献のよい機会となったと思われます。
今年は、日本の社会並びに薬剤師にとって一陽来復のための年となることを期待しています。