2024年12月
厚生労働省 大臣官房審議官(医薬担当) 佐藤 大作
本年7月から厚生労働省大臣官房審議官(医薬担当)を拝命しております。
近年、在宅医療・介護を受ける患者の増加等、患者の療養環境の変化や、情報通信技術の発展等を背景に、薬局薬剤師に求められる役割が変化・多様化しており、地域住民への薬物治療の提供だけでなく、地域住民による主体的な健康の維持・増進の支援等、健康サポートの役割を担うことが期待されています。
また、近年のチーム医療の進展や薬物療法の高度化・複雑化等に伴い、病院薬剤師の業務も高度化が進んでいます。
このような環境の変化に柔軟に対応しながらご活躍いただくためには、薬剤師の皆様には、様々な機会を活用して継続的に自己研鑽に努めていただくことが非常に重要です。
また、昨年1月より、医療DXの一環として、運用開始となった電子処方箋により、複数の医療機関・薬局を跨いでリアルタイムでの処方・調剤情報の確認や重複投薬等のチェックが可能となりました。本年9月末には、全薬局の4割を超える2万9千以上の薬局で電子処方箋の導入が進んでいます。薬局の皆様には、紙の処方箋も含め電子処方箋管理サービスへの調剤結果登録をお願いしております。
今後も、全国医療情報プラットフォームの構築・普及等、医療 DX の取組を加速してまいりますが、重要なのは、このようなツールを活用して、薬剤師の皆様に医療の現場でいかに医療の質や安全性の向上のために取り組んでいただくかであると思います。 皆様には是非、医療DXの推進にご協力いただくとともに、これらを活用して、患者に寄り添った服薬指導や他の医療提供施設との円滑なコミュニケーション等医療の質の更なる向上へつなげていただきますようお願いいたします。そのためにも、先ほど申し上げたように、自己研鑽により、積極的に情報のアップデートに努めていただくことが重要です。
薬剤師の皆様におかれましては、社会経済の変化や地域の声を絶えず意識しながら、患者や地域住民に信頼される薬剤師として更に活躍の場を広げていっていただくことを期待しております。