2025年9月
一般社団法人 日本私立薬科大学協会
会長 楠 文代
昨年6月、一般社団法人日本私立薬科大学協会の会長に就任いたしました。
現在、当協会には私立薬系大学の61校が加盟し、会員相互の連携と協力を図りながら、6万人を超える在籍者数の下で、薬学教育・研究の充実・発展、及び医療の進歩や社会環境の変化に伴う課題解決などに取り組んでいます。
そのような中、日本薬剤師研修センターにおかれましては、薬剤師の資質向上を図ると共に、薬剤師の生涯学習の支援・推進にご尽力いただいていることに対し、心から敬意を表します。
さて、6年制薬学教育が導入されて19年が経過する中、薬学教育モデル・コア・カリキュラムに象徴される「医療人養成」を目指した薬剤師養成への教育を鋭意進めています。薬学臨床(薬局実習・病院実習)やOSCEにおいて、薬剤師の皆様方に貴重なご指導を賜りながら教育が進められていることに、厚くお礼申し上げます。
さらに、各大学におかれては、理念・ポリシー等に基づいた人材育成、医療の進歩、ITの普及など社会を取り巻く環境の変化や、国際化等も考慮に入れながら、これからの時代を担う学生達への教育に邁進しているところです。
一方、少子化の影響を受けて一部の大学では定員割れが生じており、薬学部においても入学志願者数の確保等に課題を抱えています。当協会では高校生のために、「6年制薬学ガイド」(https://www.yakugaku-guide.com/) を通じて薬学部の教育内容や卒業後の進路を紹介し、卒業生が薬剤師として医療現場で活躍することはもとより、地域社会においても、予防、治療、予後管理等、医療・福祉・公衆衛生を広く担う人材であること、さらに新薬開発や治療法の提案等医療の進歩に貢献できることなど、薬学部の魅力を伝える努力を重ねています。
大学では、学生達が薬剤師になった暁にも生涯にわたって学び続けることの大切さを伝えており、併せて、各大学の特色を生かしながら卒後教育にも力を入れています。同窓会、薬剤師会、及び薬学会との共催も多く、また会場での対面講義やライブ配信やオンデマンド配信による講義などを活用して受講への配慮も行っています。多くの協会加盟大学は、日本薬剤師研修センターから研修機関としてお認めいただき、認定薬剤師の育成にも頑張っています。薬剤師が病気の治療や予後管理等医療はもとより、病気の予防、災害支援等の福祉・公衆衛生をも担う時代の要求を、各大学がしっかり捉え、地域連携活動にもつなげています。
皆様には、今後ともご指導・ご支援・ご協力をいただきますように、どうぞよろしくお願い申し上げます。