2026年4月
専務理事 長谷川浩一
4月は新たに社会人になる人が多い季節です。いろいろな職場を経験した関係で、様々な場所で新社会人を見てきました。迎え入れた新人の多くは、専門性が求められている職場が多かったため、「井の中の蛙」がまた生み出されたと、揶揄していたこともあります。自分で自分を嘲笑するような感覚があったのかもしれません。
ある職場では、研修を受ける職員に対して訓示する機会があり、その際に、この言葉をよく使いました。「あなたたちには専門性を求めますから、これから井の中の蛙になってもらいます。」というようなことを言うのではありません。専門性が求められるため、井の中の蛙になりがちですが、現在社会では、視野を広げることが重要であり、狭い世界に閉じ込められず、広い視野を持つことが求められている、というメッセージを伝えていました。薬剤師は職業柄、専門性は大切にして欲しいという反面、一般的な常識も持ちつつ、また、社会性や全体を俯瞰する能力も求められていると思います。患者の方と対峙する時、また、多職種連携を行うに際しても、必要なことではないでしょうか。
話は変わりますが、日光東照宮の逆柱をご存じでしょうか。多くの方は知っていると思いますが、建築の世界では、完成すると崩壊が始まるという言い伝えで、物事が完璧になった瞬間から衰退が始まるという意味を持っているようです。考え方はいろいろですが、薬剤師にたとえれば、自分が薬剤師として一人前になったと思って研修などをやめて衰退するのではなく、生涯に渡り日々研鑽により新しい知識を得て業務に活用して欲しいと考えてこの言葉を引用しました。
新しく薬剤師になられた方の中には、やっと国家試験に合格して勉強をしなくてもよいと考えられている方もいるかもしれませんが、これからが本当の意味での勉強が必要になってくる時だと思います。最近は、ジェネラリストとしての薬剤師という側面だけでなく、専門性を持つことや多職種連携により地域医療をもり立てること、住民の健康サポートなど薬剤師には多くのことが求められるようになってきています。日々の研鑽などについては、研修センターがサポートできますので、是非、ご活用いただきたいと思います。
新しく薬剤師になられた方々、期待に押しつぶされずに頑張ってください。