2026年10月
一般社団法人 日本医療薬学会
会頭 崔 吉道
2040年に向けて、日本の医療は大きな転換期を迎えています。高齢者のさらなる増加と生産年齢人口の減少により、限られた医療資源の中で地域の医療と健康を支えていくことの重要性は、これまで以上に高まっています。こうした時代の中で、私たちは多くの課題に直面していますが、それは同時に、新しい医療のかたちを築く機会でもあります。入院・外来・在宅・介護をつなぐ切れ目のない薬物治療、DXやICTの活用、多職種が支え合う連携の仕組みづくり、そしてそれらを担う人材の育成など、一つひとつの取り組みが未来へとつながっていきます。その中で薬剤師には、専門的な知識にとどまらず、地域や社会全体を見渡しながら人々の暮らしを支える存在としての役割が期待されています。
薬剤師は今、「医療を支える存在」から「地域課題の解決に力を添える存在」へと、その役割を広げつつあります。日々の業務の中で感じる気づきや、患者さんとの関わりの中で積み重ねてきた経験は、どれも大切な価値を持っています。それらを振り返り、学びとしてつなげ、誰かの役に立つ知見として届けていくことが、これからの医療薬学に求められています。
本年11月21日(土)から23日(月・祝)に、石川県金沢市において第36回日本医療薬学会年会を開催いたします。テーマは「2040年の社会課題を解決する医療薬学の融合研究 ―すべての薬剤師の学術的基盤を目指して―」です。本年会が、さまざまな分野で活躍する薬剤師をはじめ、医療と健康に関わる多くの方々が集い、それぞれの想いや経験を分かち合いながら、新たな気づきやつながりを得る場となることを願っています。
現場での小さな積み重ねと学びが結びつくとき、そこから新しい価値が生まれます。その一歩一歩が、これからの地域と医療を支えていきます。本年会が、皆さまにとって次の一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。